2025年の新築着工数
約74万戸
3年連続の減少 / ピーク時(2006年)の約6割
全国の空き家数
900万戸
空き家率13.8%(2023年・過去最高)
2040年の着工予測
約61万戸
野村総合研究所の推計
新しく建てられる家は、年々減っています
新設住宅着工戸数(1年間に建て始めた新築住宅の数)は、2006年の約129万戸をピークに長期的な減少傾向が続いています。
2025年は約74万戸と、ピーク時のおよそ6割にまで減りました。
新設住宅着工戸数(万戸)
※暦年ベース。出典:国土交通省「建築着工統計調査」
注文住宅(持ち家)はとくに厳しい状況
注文住宅の着工数は2022年後半から長期にわたりマイナスが続いています。建築費の高騰、金利の上昇、資材価格の高止まりなどが重なり、新築を先送りする方が増えている状況です。
ただし、「待てば安くなる」わけではありません
先送りが増えている背景は理解できますが、過去のデータを振り返ると、待った結果コストが下がったケースはほとんどありません。
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建築費:2018年から7年間で
+25%上昇。下がる材料が見当たらない状況が続いています(
→第1章)
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金利:変動金利は0.3%台→0.7%前後に上昇。3,000万円借入で
利息が約200万円増える計算です(
→第2章)
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補助金:GX志向型の補助額は前年度の160万円→110万円に縮小。制度は年々厳しくなる傾向です(
→第3章)
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省エネ基準:2025年に等級4義務化、2030年に等級5が標準に。求められる性能が上がるほど建築費も上がります
「先送り=節約」ではなく、「先送り=コスト増」になっているのが、ここ数年の実態です。
もちろん家づくりのタイミングはご家庭の状況が最優先ですが、「なんとなく待っている」状態は、知らないうちにコストが積み上がっていく可能性があります。
着工数が減り続ける3つの理由
住宅着工数の減少は一時的な景気の問題だけでなく、構造的な要因が背景にあります。
理由 ①
人口減少
日本の総人口は2008年をピークに減少が続いています。2025年には団塊世代が全員75歳以上に。住宅を新たに必要とする人の数自体が減っています。
理由 ②
建築費の高騰
資材費・人件費・エネルギーコストの上昇で、新築住宅の価格が大きく上がりました。予算内で建てることが難しくなり、着工を見送るケースが増えています。
理由 ③
金利の上昇
2024年以降の利上げで住宅ローンの金利が上昇。月々の返済負担が増え、購入意欲が低下しています。変動金利は0.3%台→0.7%前後に。
一方で、空き家は増え続けています
人口は減っているのに、住宅の総数は増え続けています。その結果、空き家が増加の一途をたどっています。
900万戸
全国の空き家数(2023年)
過去最多を更新。5年前から51万戸増加。30年間で約2倍に。
13.8%
空き家率(2023年)
過去最高を更新。約7戸に1戸が空き家という計算です。
約25%
2043年の空き家率予測
野村総合研究所の推計。約4戸に1戸が空き家になる可能性。
空き家が増えているのに、なぜ住宅の総数も増えている?
人口は減少していますが、単身世帯の増加やライフスタイルの変化で世帯数はまだ増加しています。また、古い住宅が解体されないまま新築が供給されるため、住宅の総数と空き家の両方が増えるという現象が起きています。
今後の住宅市場はどうなる?
野村総合研究所は、新設住宅着工戸数が2030年に約70万戸、2040年には約61万戸まで減少すると予測しています。
住宅市場は「たくさん建てる時代」から「良い家を長く使う時代」へ移行していきます。
2025
省エネ基準適合の義務化
すべての新築住宅に断熱等級4以上が求められるように。省エネ性能を満たさない家は建てられなくなりました。
2030
ZEH水準(断熱等級5)が新たな最低基準に
国は2030年にZEH水準を最低基準とする方針を示しています。住宅ローン減税もZEH水準以上が実質必須に。
2040
着工数は約61万戸に
人口減少と世帯数の減少が本格化。新築住宅の供給は現在の約8割に。中古住宅の活用やリフォーム市場が拡大する見通し。
2050
カーボンニュートラル目標
国は2050年までに温室効果ガスの実質排出ゼロを目指しています。住宅の省エネ性能はさらに引き上げられる見込み。
これから家を建てる方にとっての意味
着工数の減少や空き家の増加は、これから家を建てる方にとって必ずしもマイナスばかりではありません。
「量」から「質」への転換が進んでいます
新築の数は減っていますが、1棟あたりの省エネ性能や耐震性は確実に上がっています。
2025年からは省エネ基準適合が義務化され、2030年にはZEH水準が標準に。
これから建てる家は、以前の家よりも省エネ性能・耐久性・資産価値の面で大幅に優れた住宅になります。
将来の資産価値を考えると「性能」が重要
空き家が増え続ける中で、中古住宅市場では性能の低い家ほど売りにくくなる傾向が見え始めています。
省エネ性能や耐震性能が高い家は、将来の売却や賃貸でも評価されやすい資産になります。
だからこそ、「自分たちの場合」を知ることが大切です
市場全体の数字に振り回される必要はありません。大切なのは、ご自身のご家庭にとって無理のない計画かどうかを把握しておくことです。
STEP 1
「安心ライン」を知る
提携のライフプランナーが、ご家庭の状況をヒアリングし、建築費に無理なくかけられる金額を整理します。銀行の事前審査で借入上限も把握できます。
STEP 2
資金の割り振りを考える
住宅性能の選び方、補助金・減税の活用まで含めたトータルの資金計画を検討します。「建てるか、待つか」の判断も、数字が見えていれば冷静にできます。
住宅市場の変化をどう捉えるか
人口が減り、空き家が増え、着工数も減り続けている ―― これだけ聞くと不安に思われるかもしれません。
しかし、この変化は「安い家をたくさん建てる時代」から「性能の高い家を長く住み継ぐ時代」への移行でもあります。
当社の家は標準仕様でZEH水準を満たしており、将来の基準変更にも対応できる性能を備えています。
家を建てるタイミングは、市場の数字だけで決めるものではありません。
ご家族のライフステージや暮らし方に合ったタイミングが一番大切です。
「今がいいのか、もう少し待つべきか」 ―― そうしたご相談も含めて、お気軽にお声がけください。