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知っておきたい建築費の動向

住宅の建築費がここ数年でどのように変化してきたか、一般物価との比較とともにまとめました。
2026年以降は現時点の情勢に基づく予測です。家づくりのタイミングを考える際のご参考としてご覧ください。

建築費の上昇(2018→2025年)
+25.1%
経済調査会 木造住宅建築費指数(実績)
直近の年間上昇ペース
約3.5〜5%
2022年以降 / 2026年は加速見込み
2028年予測の上昇幅
+約40%
2018年比(予測含む)
一般物価(CPI)実績 一般物価(CPI)予測 建築費 実績 建築費 予測
※CPI(消費者物価指数)= 食料品・日用品・光熱費など、暮らし全般の物価の動きを示す国の統計指標です(総務省発表)

建築費が上がってきた背景

2019
消費税 8%→10% に引き上げ
住宅取得にかかる消費税が増税。建築費自体への影響は限定的でした。
影響:限定的
2020
コロナショックと世界的な需要変動
経済停滞で一時的に資材が値下がり。しかし米国・中国で住宅建設が急増し、翌年以降の資材不足の伏線に。
影響:翌年以降に波及
2021
ウッドショック・アイアンショック・半導体不足
世界的な木材・鋼材の需給ひっ迫が発生。半導体不足で給湯器などの住宅設備にも納期遅延が広がりました。
影響:資材価格の上昇が顕在化
2022
ウクライナ情勢の影響と急激な円安
ロシア産木材・天然ガスの輸入が困難に。円安が一時150円台まで進行し、輸入資材のコストが大幅に上昇。
影響:建築費が前年比10%超の上昇
2023
資材高止まりと人件費の上昇
木材・鋼材の急騰は落ち着いたものの元の価格には戻らず。エネルギー高騰に加え、職人の人件費上昇が本格化。
影響:年2%超の上昇が継続
2024
建設業の「2024年問題」と人手不足
4月から時間外労働の上限規制が適用。大手ゼネコンで6%超の賃上げが行われ、人件費が建築費を押し上げ。
影響:人件費を中心に上昇が継続
2025
団塊世代の退職と建築費の過去最高更新
団塊世代が全員75歳以上に。建設業の就業者不足が加速。木造住宅建築費指数は140.1(2009年比)と過去最高を更新。
影響:上昇傾向が続いている状況
2026
米国・イスラエルによるイラン攻撃とホルムズ海峡封鎖 実績
2月28日に米国・イスラエルがイランを攻撃。ホルムズ海峡が事実上封鎖され、原油価格は100ドル超に急騰。日本の原油輸入の約94%が中東に依存しており、エネルギー価格の高騰が建築資材・輸送コスト・製造コストを直撃。2月時点の木造住宅建築費指数(2015年基準)は149.2と上昇が加速。
影響:エネルギーコスト急騰による建築費の更なる押し上げ
2027
中東情勢の余波+構造的人手不足の継続 予測
中東情勢が長期化した場合、原油高→円安→エネルギー高の連鎖が継続。建設業の担い手不足はさらに深刻化し、人件費の上昇に歯止めがかからない可能性。
予測:年4%前後の上昇が続く見込み
2028
大阪万博後の需要変動+資材価格の新常態 予測
2025年大阪万博の関連工事が一巡。一方で老朽インフラの更新需要は増加を続け、建設需要全体は高止まりが予想されます。
予測:建築費は2018年比で約40%上昇の水準に

ご参考:3,000万円の住宅で試算した場合

建築時期建築費の目安(税別)
2018年に建てた場合3,000万円
2022年に建てた場合3,462万円(+462万円)
2025年に建てた場合3,753万円(+753万円)
2026年に建てた場合(現在の見込み)3,933万円(+933万円)
2027年 予測4,095万円(+1,095万円)
2028年 予測4,230万円(+1,230万円)

建築費が上がっている今、最初にできること

「いつか建てたい」と思っているなら、まずは今の建築費で自分たちはどんな家が建てられるのかを知ることから始めてみませんか。

STEP 1
資金計画を立てる
提携のファイナンシャルプランナーが、ご家庭の収入・生活費・将来設計をもとに「無理なく建築費にかけられる金額」を一緒に整理します。
STEP 2
今の費用感を知る
土地・建物・諸費用をバランスよく振り分けた資金計画をつくります。「今建てるといくらか」がわかると、判断がしやすくなります。

タイミングについて

建築費は、資材価格・人件費・エネルギーコストなど複合的な要因で上昇してきました。
2026年に入り、中東情勢の緊迫化という新たな不確定要素も加わっています。
今後の動向は誰にも正確には予測できませんが、現時点で「下がる材料」が見当たらないのが実情です。

もちろん、家づくりは費用だけで決めるものではありません。ご家族のライフプランやお気持ちが一番大切です。
ただ、「いつか建てたい」とお考えであれば、建築費の推移を頭の片隅に置いておいていただくと、
判断材料のひとつになるかもしれません。ご不明な点があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
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